生まれてくる子のための支援

人の体は、約60兆個の細胞から成り立っています。心臓、肝臓、脳、皮膚、白血球などすべて細胞から構成されています。細胞の中には、46本の染色体が入っています。染色体には22対44本の常染色体と2本の性染色体があり、常染色体は大きい順に1~22番まで番号がつけられています。染色体の上には決まった場所に決まった遺伝子がのっています。染色体の量に過不足が起きた場合、遺伝子の過不足が生じますので赤ちゃんの発生や成長に影響し、通常と異なる体質を生まれつき持つこと(先天性疾患)になります。

通常2本である21番染色体が3本ある場合、21トリソミーまたはダウン症候群と呼ばれる体質を持つことになります。ダウン症候群の体質は、体が柔らかく、小柄で成長し、運動面や精神面での発達がゆっくりです。50%で心臓疾患、10~20%で消化管疾患を持つなど、内臓疾患を持つ場合があります(ダウン症候群児・者のヘルスケアマネジメント2010)ので、かかりつけの小児科医へ定期受診し健康管理をしていくことが大切です。内臓疾患を持つ場合には小児慢性特定疾患などの医療費助成制度を活用して医療を受けることができます。日本ダウン症協会国際ダウン症連合などの支援団体によるサポート体制がありますし、日本ダウン症療育研究会などにより療育の実践活動も展開されています。

染色体の量に過不足が起きた場合として頻度が多いのは、前述した21番染色体以外に18番染色体が3本ある18トリソミー、13番染色体が3本ある13トリソミーです。