不妊症と不妊治療に関する知識
不妊症の原因,頻度および不妊治療の方法や費用について知りましょう。
不妊症の原因
女性側(1〜3)も、男性側(4〜6)も、両方の場合(7)もあります。カップルでお互いを尊重し励 まし合って、一緒に診療を受けることが大切です。
- 卵巣の問題
卵子がない、育たない、うまく排卵できない、高温期を維持できないなど。 - 卵管の問題
卵管の動きが悪かったり狭かったり詰まっていたりすると、卵子と精子が出会えません。 - 子宮の問題
子宮の発育の問題、子宮の形の問題や癒着などで受精卵や赤ちゃんを受け入れられません。 - 精子の問題
精子が作れない、うまく育たない、元気がない - 精路の問題
精子が出てこられない - SEX の問題
うまく SEX できない、うまく射精できない - 免疫や相性の問題
治療法
診察、注射、処置などが段階的に提案されます。原因や考え方により、それぞれのカップルにとって好ましいタイムスケジュールで治療を進めていくことも大切です。
- タイミング法:排卵のタイミングを医師に教えてもらいます。基礎体温表、超音波や内診などが参考になります。ときにホルモンのバランスを整えたり、排卵を促すお薬を使ったりします。
- 人工授精(AIH):精子を回収・調整して、子宮内へ注入する処置です
- 体外受精(IVF):卵子・精子それぞれを取り出しシャーレで受精させ、子宮に戻します
- 顕微授精(ICSI):顕微鏡で観察しながら1つの卵子に1つの精子を出会わせる技術です
- TESE:陰嚢を1cmくらい切開して精子や精子細胞(精子のもととなる細胞)を取る手術
*その他に、卵管の通りを良くしたり、子宮の形を整えたりする処置や手術をすることがあります。
男性側にも、ホルモンのお薬や漢方薬、ビタミン剤などが使用されることがあります。精索静脈瘤の手術や精路再建が効果的な場合もあります。
*開発段階ですが、未熟な卵子や卵巣組織から成熟卵子に育てていく技術、精子細胞を体外で育てる技術も進歩してきています
不妊診療の費用
不妊診療は、健康保険で行われるものと自由診療のものがあります。一般的に体外受精は自由診療であり高額となりやすいです(1周期30〜100万円)。年齢制限や所得制限はありますが、特定不妊治療費助成制度などが活用できるかもしれません。
限界
治療成績もまちまちですが、ある程度年齢による影響もあるようです。助成制度も高年齢の場合は申請できません。
体験談
不妊治療・・・いつか希望がかなうかもしれませんが、どうしてもうまくいかないこともあります。治療の真っ只中にいると、気持ちに余裕がなくなってきます。自分を追い込みすぎず、他にも前向きな選択肢がいろいろあることを忘れないようにしましょう。
諦めずに夢かなった家族のカタチ
長い不妊治療の末に、ようやく妊娠、念願の子どもを出産できました。
くじけそうになったこともあります。
だけど、“やっぱり出来ないかもしれないけど、それは仕方ない”と開き直りつつ、“もう少し・・・”と続けてきました。
希望を捨てなくてホントに良かったです。
産む以外の家族のカタチ
こどもを望むなら、自分で産み育てるのが自然だと思って不妊治療を続けてきましたが、
一方で養子を迎えるというご縁がありました。そうやって出会った家族のカタチ。
それが、私たちにとって気づいたらごく自然なことでした。